特産品
当麻米
お米を教材とした食育を進めることができるのは、当麻町が優良な〝米どころ〟だから。当麻米は全国で評価が高い北海道米の中において、トップクラスの評価を受けています。その理由は「安全安心かつ、おいしいお米」だから。
当麻町のある上川盆地の気候は、昼と夜の寒暖差が大きいという特徴があります。気温が上昇する夏場でも夜は涼しいため、病気や害虫が発生しにくいことから、農薬や化学肥料を抑えることが可能。さらに大雪山を水源として流れる水は農地に潤いを与え続けています。
今摺米は、「量より品質」という高い意識を生産者が共有し、栽培するJA当麻のブランド米。「いつでも新米の食味が味わえるお米」として消費者から定評をいただいています。その秘密は保存方法にあります。栽培したお米はカントリーエレベーターで保存しますが、この時に籾がついた状態で低温貯蔵をします。これによりお米は生命活動を維持したまま休眠。出荷直前に籾を摺ることで、摺りたて新鮮なお米を提供することができるのです。
また、カントリーエレベーターに併設された精米施設は、単一JAとして国内初の精米HACCP認証を取得。徹底した衛生管理に加え、光選別機も導入し、的確な選別も行っています。安全安心を心掛け、生産者が大切に育てたお米は出荷まで大切に管理され、皆さんの食卓へお届けします。
町内には、有機栽培米や特別栽培米などにチャレンジする生産者も。「より安全安心」、「よりおいしく」、向上心を持って取り組む生産者の背中は、子どもたちに大きな影響を与え続け、食育によるまちづくりを進める当麻町の大きな支えとなっています。
でんすけすいか
「高級すいか」として、全国に知られる当麻の特産品「でんすけすいか」。真っ黒な大玉で、シャリッとした食感と、口いっぱいに広がる果汁や甘みが特徴。JA当麻はブランド維持のために最先端の選果機を導入し、あえて厳しい基準を設定。糖度は11度、重さ4 ㎏ 、そして真円に近い形と空洞検査をクリアしたものだけが、「でんすけすいか」として市場に出されます。
でんすけすいかは、雪解けが始まる3月下旬から栽培が始まります。大きくて糖度が高く、実がぎっしりつまったすいかに育てるため、一株から一個だけを育てる「一果採り」を採用。重みによる偏りや品質の低下を防ぎ、まんべんなく日光を充てるための「玉返し」という作業を繰り返しながら、6月の初出荷を迎えます。7月下旬までという非常に短い栽培期間であり、高い栽培技術が求められます。
でんすけすいかが産声をあげたのは昭和59年。米の減反政策で日本農業が大きく変革する中、米に代わる個
性的な転作物の必要性を感じていた、当時の青年部メンバー15人が栽培を開始。当麻農業の生き残りと未来を掛けた取り組みに挑みました。名称は〝田を助ける〟という願いと、真っ黒な容姿が、喜劇俳優である故・大宮敏光さんが演じる「デン助」にそっくりだったことに由来。平成18年には、日本農業のトップランナーに贈られる日本農業賞(全国農業協同組合中央会などが主催)集団組織の部で、大賞を受賞しています。我が子のように大切に育てる生産者の姿もまた食育を進める当麻町の大切な支えです。
キュウリ
北海道でトップの生産量と販売額を誇る当麻のキュウリ。生産者が昭和54年、当麻町そ菜研究会キュウリ部会を設立。その後、品種改良や選果機更新などを重ね、着実に販売額を伸ばし、平成28年に6億円、平成30
年に7億円、現在は年間販売額8億円を記録するまでになっています。
令和元年にはJA当麻がキュウリ選別施設を導入。高性能な「長物農産物用選別装置」、「全自動箱詰めロボット」、「外観カメラ装置」により徹底した品質管理と、予冷設備による鮮度保持に務め、より高い品質を目指しています。
ミニトマト
ミニトマトも当麻が誇る農産品の一つ。6月から9月にかけて最盛期を迎えるミニトマトの品質は、市場から高い評価を得ています。JA当麻のミニトマトは、でんすけすいかと同様に糖度や大きさ、形に基準を設けています。ミニトマト選果施設には、糖度センサーや傷、大きさを見分けるカメラを設置。厳しい基準をクリアしたもののみが市場に出荷されます。
〝より良く、より安全安心に〟と、生産者とJA当麻が一体となって取り組む姿勢は、食育を学ぶ子どもたちの手本となっています。
花き栽培
花が咲く季節になると、各団体が町内の至る場所で花の植栽を始めます。町民有志のボランティア「花と緑のまちづくり推進協議会」による道の駅花壇の花植え、商工会青年部による市街地の花プランター設置、老人クラブによる花壇整備…。花育の町らしく町内は、鮮やかな花で彩られます。町花を制定しているとおり、当麻町は花の産地。多くの方が花育活動に携わっています。
バラの産地といえば温暖な地域ですが、高温多湿を嫌う特性上、夏季の出荷は全国的に減少します。当麻町はバラを夏季に栽培。これは北海道の夏が、本州と比べ湿度が低く冷涼であるため。寒暖差のある気候により生産される美しいバラは「夏バラ日本一」と呼ばれ、市場から高い評価を得ています。町花に制定されている菊は、終戦後から栽培を開始。生産者の努力と高い栽培技術は脈々と引き継がれ、北海道でも屈指の品質と生産量を誇っています。
JA当麻が出荷するバラ、菊、カーネーションなどの花は「大雪の花」というブランド名が名付けられています。開拓、戦争という厳しい時代を乗り越えて、先人がスタートさせた花の栽培。労苦を癒したであろうその優しさは今に生き、花育の根幹となっています。
先述の花植栽活動は、「花工房比呂」店長の中島大智さんが中心となり、〝美しい街並みを〟という思いのもとボランティアで行われています。花の命に癒され、心を豊かに育む花育活動は、生産者、商工業、町民皆さんの思いやりによって行うことができています。