木育活動

ふるさと思い出机

 

木に触れた時に感じる硬さ、柔らかさ、香り、そして樹種によって違う色合いや木目…。幼い頃から木に触れることは、お子さんが感性豊かに育つ上での一つの助力になると当麻町は捉え、木に触れる機会を積極的に設けています。

その取り組みの一つが「ふるさと思い出机」事業。当麻中学校で使用する生徒個々の学習机の材料に、町産木材を活用し、生徒自らが製作するというものです。

学校の教室にある生徒用の机は、子どもたちが毎日触れるもの。学校生活において、成長を見守り、ともに思い出を刻んでいきます。町産木材の感触を感じながら、当麻での思い出を作っていってほしいという願いを込めています。

町内の小学6年生は、中学校入学を間近に控えた2月頃、「くるみなの木遊館」に赴き、机製作を始めます。生徒たちが製作するのは、机の天板部分。町産のカバ材を使用し、「くるみなの木遊館」で加工した天板と、町内の鉄工所「世良鉄工株式会社」が製作した物入れを組み上げていきます。木工をするのは初めてという子どもがほとんど。面取りのためのやすり掛けや、ボンドによるパーツ取り付けなどに四苦八苦しながら製作していきます。完成後、机には〝自分専用の証〟として、自身の名前のプレートが取り付けられます。

春、子どもたちは真新しい制服と机とともに中学生活をスタート。さまざまな思い出を刻み、3年間を過ごします。卒業時、3年間の歩みを共に刻んだ天板には、脚が取り付けられミニテーブルとして本人にプレゼントされます。

新たな一歩を踏み出す子どもたち。心のどこかに、ふるさと当麻で過ごした思い出をしまっておいてほしいと願っています。

 

少年ふるさと教室

 

公民館事業として小学4年生を対象に開催する体験活動「少年ふるさと教室」。月に一度行われるカリキュラムの中には木育に関する体験活動も組み込まれています。

その一つが子どもたちによる森づくり。当麻山内にある人の手が入っていない山林で、子どもたちはアイデアを出し合い、森づくりを行っています。「ここはハンモックでゆっくりできる広場」、「ここは焼き肉ができる広場」など完成後のイメージを描きながら、のこぎり片手に、小さな支障木を伐りながら、人が通れる道や広場を作り出します。伐採した木は、子どもたちが機械を利用して砕き、道や広場のウッドチップとして大切に再利用。この取り組みは単年で完成するものではなく翌年、翌々年…とバトンを引き継ぎながら続きます。親となり自身の子どもを連れ、ともに遊ぶ姿を思い描きながら森を作っています。

四季折々の表情がある当麻の自然。木も季節により、それぞれの表情があります。新芽が顔をのぞかせる春、緑の葉が生い茂る夏、紅く色づいた葉がハラハラと舞い落ちる秋、真っ白な雪が覆いかぶさる冬。木の姿により、その命の感じ方は違います。当麻町では季節に応じ、趣向を変えた木育活動が行われています。

町内小中学校では授業の中で、積極的に木育活動が行われています。北海道公認の木育マイスターによる指導の下、夏は自然散策と併せて樹木の特徴などの観察、冬はスノーシューを履き、山林に住む野鳥や、葉が落ち夏と違う表情を見せる樹木の観察をしています。

木が生きる世界に入り、木に直接触れ、その命の息吹を感じる。木育活動の中で、木や自然を大切にする心を育んでほしいと願っています。